栖風采プランニング_「海野宿」で古民家再生・住宅設計等をしている長野県東御市の建築設計事務所

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古民家・土蔵の再生
古民家の「力」 それは 人の手の「力」。

現代の建築技術が機械の力にたよっているのに比べ、

昔は道具と人の「力」。

現代人の忘れかけた、手間をかける価値 つまり手作り

機械で生産されたものにはかなわない、

温もり、味わい、おおらかさ

古い民家、伝統的建造物を大切に使いたいから、

現代の生活にも適応するような大規模な修理と改造・改装、

そして設備の一新、

それが民家の再生です。

【 古民家再生 住宅 】 果物農家の家 S邸(長野県山ノ内町)

再生手法
 
@土間 → 石張りだった土間を、本来の三和土に近い姿(珪藻土の三和土)戻しました

A天井 → 民家の構造を視覚的に感じてもらえるよう既存の天井裏に隠れていた梁をデザイン的に魅せました。

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再生手法 

@このお宅の暖房設備として薪ストーブを採用しました。
お施主さんが果物農家ということもあって、薪には困りません。

A一昔前の新建材から自然素材の内装にしました。
壁はしっくい塗り、天井は一部昔の天井を現し、また一部は新規に無垢板の天井にしました。
床板はお施主さんの杉山の杉を切り出して加工したものです。
既存の柱を1本抜いたので、その補強のために杉の梁を新規に入れました。この杉の梁もお施主さんの山の杉の木です。


(注意:火気を使用する部屋の天井や壁は不燃または準不燃の材料を使用しなければなりません。天井板は準不燃の認定の取れた無垢の板を使用しています。)

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再生手法

@台所設備は一新しました。
農家ということもあり、システムキッチンの間口は2間半あります。(特注)
キッチンは、扉が集成板の無塗装品の既製品を使っています。塗装は古民家に合うように古色をほどこしました。
また取っ手は金物メーカーから別に選んで付けました。

A古民家の構造上、天井高が取れなかったため、天井を設けず吹き抜けのように、屋根の下いっぱいまで勾配天井としました。

B天井高が低いこともあって、吊戸棚は付けることができませんでしたが、その分開放的なキッチンとなりました。

C換気扇も天井高が低いため限られた製品しか使えませんでした。


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再生手法 

@囲炉裏を復活させました。
火のある所には人が集まり、語らいの場となります。
この家のご主人はお酒好きで哲学を持っていて、人が好きな方でしたので、このような場がとても相応しく感じました。

Aこの古民家の建設当初の天井を復活させました。
古民家にはよくあることですが、いつの時代にかリフォーム(古家の造作)がなされており、昔の天井の下に新建材で天井を張っていることが多いのです。
民家の再生では、こうした近年の造作を撤去し、昔の姿に戻してあげることで、民家本来の姿を復元し、その美しい自然な趣を現代に甦らせます。
この家も、天井裏から素晴らしい大きい梁が出てきて、とても素敵な空間になりました。

B床板はお施主さんの山の杉を切り出して加工したものです。とても手間のかかった床板ですが、やはり味わいがあっていいものです。今でも大工さんの誇らしげな仕事ぶりが思い出されます。

【 土蔵再生 店舗 】 JAZZ喫茶 BUD (長野県 小布施町)




【 古民家リフォーム 住宅 】 田舎暮らしをする子育て世代の家 M邸(長野県大町市)

古民家リフォーム 実例 田舎暮らしをする子育て世代の家 長野県大町市
十数年前に大町市の古民家を購入して田舎暮らしをするMさんのお宅を、設計と材工分離発注による設計主導型施工で古民家リフォームさせて頂きました。
お施主さんのご主人は、露天五右衛門風呂をDIYしたり、広い畑で無農薬野菜を作るなどして本格的な田舎暮らしを楽しんでおられます。奥様はお花を育てたり、パッチワークを趣味にしています。
ご夫婦は移住してからの凡そ10年間、古民家を部分的に改修しながら住んでいました。そうしているうちに近年、お子さんを2人授かったのですが、それまで辛抱することのできた古民家生活も、子育て真っ最中の奥さんにとっては、非常に辛いものとなり、ちょうど下水道が来たこともあって、水廻りのリフォームをすることになりました。
奥さんの希望は「とにかく贅沢は一切望まないので、普通の、安全な暮らしをしたい。出来れば暖かい家にしてもらいたいけれど費用が掛かるのなら結構です・・・」というものでした。
「安全な暮らし」。耐震とかそういうレベルの話ではなく、「ごく普通の暮らし」を求められていました。小さい子供をおんぶ・抱っこして部屋を移動するのに片手で開けることの出来ない建付けの悪くなった引戸、到る所にある区区な高さの床の段差、また冬の寒さの厳しいこの大町市で、暖簾が揺れるくらいの隙間風が通る部屋と浴室・・・。とても見過ごせるような状況ではありませんでした。

仕上がった古民家リフォーム 走り回る子供達
○○ 古民家リフォーム 完成 ○○

Mさんの奥さんには、引き渡したのが2月の寒い時期でしたけれども、以前より暖かい部屋になってこのダイニングキッチンが一番のお気に入りの部屋になったと喜んで頂けました。また当たり前の生活(普通に戸が開く等)を送れるようになった安堵の涙も見られました。
この先もこの古民家で頑張っていけそうとのお言葉を頂けホッとしました。

今回は古民家生活が甘くはないということを痛感したお仕事になりました。

☆走り回る子供達 〜3歳のお子さんと、うちの2歳の息子です〜

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古民家リフォーム解説〜ダイニングキッチン〜

◇現状について◇
 
リフォーム前のダイニングキッチンは隙間風の入るとてもとても寒い部屋でした。解体してみると、なるほど寒いわけでした。床の高さよりもコンクリートブロックの基礎が高い位置にあり、足元に基礎の隙間風が流れていたのです。

◇断熱について◇

今回は、予算が厳しかったけれども、暖房設備は設置しない代わりに、床には断熱材の押出法ポリスチレン保温板1種50oを2重に入れ、壁は真壁(柱の見える壁)の土壁のところには断熱材を入れるわけにはいかなかったので、キッチン部分のタイル壁下に断熱材を20o入れました。これでなんとか基礎から上がる冷気を食い止めました。天井は、吹き抜けにしたので屋根裏に床と同じ種類の断熱材50oと30oを2重にして入れました。
窓はアルミ製断熱サッシにしました。

◇仕上げについて◇

床は複合フローリングより足裏の体感温度が暖かい無垢板(レッドパインの厚み21o)にしました。

壁は一部土壁を取り除いてしまった所を杉板張りにした他は既存のしっくい壁のままです。ただ吹き抜けにしたことで現れた小屋裏の土壁部分は、お施主さんのご主人がDIYで珪藻土塗材をホームセンターで購入して塗りました。

キッチン部分のタイルは名古屋モザイクのプリエールシリーズを使いました。このタイルはラフな感じの仕上がりで安価だったので採用しました。雰囲気はよかったのですが、目地巾が1cm近くあり、目地材を選ぶのが難しかったです。
お施主さんは建材の真新しいものがこの古民家にふさわしくないことをよく理解されていたので、キッチンパネルのような光沢のあるものは避けました。お掃除は少し大変かもしれないけれど、換気扇を能力のあるものを付けることで、タイル貼りにすることになりました。

キッチン上部の天井は法律上、不燃又は準不燃材料を使わなければなりませんので、準不燃の認可の取れている長野県産材の信州から松の無垢板を使いました。
(信州から松は「共同組合エルク」の製品です)

◇無垢板の塗装◇

塗装もお施主さんが自ら塗るということで別途でやりました。
天井と壁の杉板は今のところ無塗装ですが、今後柿渋を塗る予定です。
床はすぐ汚れるので引き渡す前に塗料をこちらで用意してご主人に塗ってもらいました。
(塗料:(株)プラネットジャパン アンティークパイン色)

◇台所設備◇

キッチンは厨房用のキッチンを特注で制作してもらいました。(厨房用キッチン:(株)マルゼン)
最初はシステムキッチンの安いものを探しましたが、古民家にはあまりにも安っぽく見えそうでしたので、当初お施主さん自身がリサイクルショップで中古の業務厨房用作業台を買おうかと考えていたようでした。
ですが、中古の業務厨房用作業台を選ぶにも、同一メーカーもので、サイズの合うものを探さなければならないという問題点と、左程安くも無い中古品を集めたところで、実は特注で作った場合と比較しても数万程度しか差がつかないことが判り、結果特注で作ることにしました。
結構安く出来て、古民家にも似合う格好の良いものになったと思います。

換気扇は、換気扇の取り付く壁の真ん中に柱がくるため、排気ダクト位置に注意を払う必要がありました。
(今回は松下電工のアイレベルフードを使用しました。)

◇照明器具◇

照明器具は当HPの「レトロなガラス電灯笠」に掲載しているものです。(No.5)


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古民家リフォーム解説〜トイレ〜
 
◇現状から解体◇

現状は約1帖強のスペースに和式便器と小便器が間仕切られて設置してあったため、非常に窮屈なお便所でした。お施主さんの奥さんは妊娠中、このお便所は使えなかったそうです。

そして解体してみると、予想に反して床下の状況が極めて悪く、白蟻によって柱がすっかり朽ちていました。
急遽、見積には入れていなかった土台・柱の補強工事をすることになりました。

古民家再生ぐらいの工事内容ならば、床下廻りの工事は当然予算に入れておくのですが、リフォームですとそこまで予算に入れていないことが多く、解体してみないと判らないところがリフォーム工事の難しいところです。

◇仕上げ◇

床は清掃性によりタイル貼りになりました。
タイルはINAXの冷たさを感じにくい商品として出されているサーモタイルを使ってみました。

壁はご主人によるDIYで珪藻土塗。

天井と腰板は信州から松を張りました。

建具は既存の建具の雰囲気がとても良かったのでそのまま利用しました。




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